アートオークションと日本人

先日、クリスティーズオークションにて、ジャン・ミシェル・バスキアの作品が作家のオークションレコードで落札されたとニュースになりました。

落札したのは、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ創業者の前澤友作氏。

バスキア「Untitled」が5,728万ドル(約63億円)の高額で落札されました。

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前澤氏は、公益財団法人「現代芸術振興財団」の会長で、千葉市内に建設を予定している美術館に所蔵する目的で購入したそうです。更にバスキアの作品に加え、全部で5点の作品を落札されたとのこと!

ブルース・ナウマンの「Eat War」168万ドル。

eat war

アレクサンダー・カルダー「Sumac 17」576万ドル。

smac17

リチャード・プリンス「Runaway Nurse」968万ドル。

runaway nurse

ジェフ・クーンズのスティール彫刻作品「ロブスター」688万ドル。

Koons-Lobster

前澤氏はツイッターで「ストリート出身であるバスキアの最高傑作を、ストリートカルチャーにいろんな影響を受けた僕が、恩返しとして、日本のどこかで展示して日本のみなさんに思う存分近くで見てもらえたらなと思い、思い切って落札しました!」と落札に至った心情を述べられています。

日本人とアートオークションと言えば、1980年代後半のバブル期において、豊富な資金を元手に日本人資産家や日本企業が海外の有名オークションで、バブルマネーを駆使しアート市場で巨額美術品を買い漁ったことで有名です。

世界の美術市場から逸脱する高額な買値を提示、他国のバイヤーから「美術品の値段を極端に釣り上げ過ぎる」と批判されることも多く、この時期に買われた名画や美術品はバブル経済崩壊後も売却できず、事実上の不良資産として企業などに死蔵される結果となり、最悪の場合は銀行の担保となっているケースもあり悪評の高い行動と批判されました。

ですが、今回の前澤氏の落札は単に話題作り等ではなく、自身では2012年に公益財団法人も設立しており、世界でも貴重なアートをコレクションして展示し、広く世界の人に見てもらいたい、という「未来志向」の想いがあります。

「作品のコンディションや投資を念頭に置いたリセールバリュー云々ではなく、彼(バスキア)のカルチャーや生き様を理解して、後世にこの作品を受け継いでいくという重要な責任があると思っている。」とバブル期の日本人バイヤーとは根本の目的が違います。

本物のアートに触れることで、個人の感性が磨かれ、その延長線上に文化の豊かな国になっていく。

当社の企業理念とも合致しますが、今後前澤氏がどのようなアートをコレクションしていくのか、その動向に注目ですね。

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