秋も深まって…
と書き出したいところですが、この空模様。。。
本日のお題は、最近お問合せを頂いている作家さんのご紹介!
アンニュイな表情を想像したらNo,1と言えるのではないでしょうか?
ジャン・ピエール・カシニョール(1937~)
【甘い誘惑】
フランス、パリに生まれる。1952年、パリのルシー・クロッグ画廊にて初の個展開催(15歳)。
1955年パリ美術学校入学試験に合格
1969年、東京・三越百貨店にて個展。
1970年、アメリカ、ウォーリー・フィンドレー画廊にて個展。奇妙なことですが、パリ生まれのカシニョールがフランスで知られるようになったのはアメリカを経由して、日本で評価されてのことであったと、ソルリエは記しています。
夢見る女性像を魅力的に描き甘美であり、「絵は喜びの源である」というカシニョールは、親日家で過去何度も来日しており、タレントの黒柳徹子さんも描いているのは有名なお話ですね。日本では今でも人気作家さんです。
一方、アメリカでも人気は高いようで…こちらの
【Dans la roseraie】1975年 油彩 60号
は、2013年11月にアメリカの大手オークション会社で開催されたオークションで、60号の油彩が893,000ドル(手数料込)<※1ドル120円で換算した場合で1億716万円>という高額で落札され話題となりました。
一度見たら、「あっ!見たことある!!」という独特の画風。でも、これはとても難しい事だと思うのです。そうやって、自分の地位を創り上げて来たカシニョールさんの人気は当り前かもしれません。
さて、独特な画風繋がりといえば…
ベルナール・カトラン(1919~2004)
フランス、パリに生まれる。1945年パリの国立高等美術工芸高校に入学。
1950年ブリュメンタル賞受賞。
1965年「ムルロ工房の版画」のカタログにシャガール、ピカソ、ミロらと共に採録される。
1973年 ニューヨーク、東京など各地で個展開催。
1995年 レジオン・ドヌール勲章を受章。
2004年 パリにて死去。享年84歳。
主として静物画、それもバラやポピーなど親しみのあるお花が有名です。作風は、色彩の明暗による詩的、象徴的表現を得意としており、抽象と具象のはざまの世界を表現しています。また、日本やアジアを取材し、多くの作品を発表しているので、それも我々日本人の心を掴んでいる理由の一つだと思われます。
【ベゴニアとアジサイ】同系色に同系色!!
【マリーゴールドの花束】更に同系色に同系色!!!
抽象と具象のはざま…色彩の濃淡…秀逸です!!
独特といえば、忘れてはいけないのが
ベルナール・ビュフェ(1928~1999)
フランス、パリに生まれる。1943年、パリ国立高等芸術学校に入学。
1948年、パリで最も権威のある新人賞・批評家賞を受賞。この頃から天才画家として有名になる。硬質で鋭く太い針金のような輪郭線、モノトーンに近い色彩を特色とする独自の様式を築き、その画面には人物の不安げな表情などとあいまって第二次大戦後の作者の不安で荒涼とした心象風景が表されています。
女性像のモデルは多くの場合、妻のアナベルです。彼女との出会いは彼にものすごいインスピレーションを与えたようです。それまでの彼の作風は暗く、色彩がとぼしく、出口の見えないような陰鬱さが見て取れますが、彼女と出会ってから、彼女が生涯のミューズとなって、彼の絵に明るい色彩と人生を肯定するような画風があらわれてきたようです。
油彩画のみならず、優れた版画も多く制作しています。1971年、レジオン・ドヌール勲章を受章。最愛の妻アナベルと生涯を添い遂げる間も彼の孤独が癒えることはなく、晩年にはパーキンソン病を患い、71歳で自らの命を絶ってしまいます。
彼の作風は人物も風景も動物も、本当に独特です!!
【カルメン】
【エスカミリオ】
【サクレール寺院】
【小さなフクロウ】
…写真をみると、イケメンですねぇ。。。さぞ、おモテになったんじゃないかと思います。。。そんな彼が生涯愛し続けたアナベル。
その証拠は、ビュッフェが最晩年に描いた「自分の家族の肖像画」…妻アナベル、娘と息子、端のしわくちゃ老人が自分。描かれた娘も息子もそこそこ年老いているのに、アナベルだけが全く年老いてない… ビュッフェの愛が描かれているんですね。
ご興味のある方は、探してみて下さい。
さて、パリ生まれの上記の方々。最近の査定のご依頼上位です!!
バブル期にそれこそ「我先に!」と人気のあった作家たち。
重厚感のある油彩や、飾りやすい版画は、一枚で格調高く洗練された空間を作り出し、大切なお友達を我が家にお迎えしたことでしょう。
バブル期は終わりましたが、今でも人気の高い作家さんですし、価値もあります!!
そういえば…と思った方は、またお部屋に飾って頂いても、我が社に査定に出して頂いても良い機会かと思います。
今後とも、よろしくお願い致します。